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8種類の建物構造をメリット・デメリット別に解説
「不動産投資やアパート経営を始めたいけれど、購入する建物はどうやって選べばいいんだろう」とお困りの方に、ぜひ知ってもらいたいのが「建物構造」です。
建物構造は、建築コスト・建物の耐久性・管理のしやすさなどに関わる非常に重要な情報で、建物構造についての十分な理解がなければ、せっかく不動産を購入しても「建築や修繕に費用がかかって赤字になってしまった」「思っていた以上に管理が大変だった」など、後悔する危険性もあります。
今回は代表的な建物構造8種類について、メリット・デメリット別に詳しく解説します。
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目次
建物構造とは?メリット・デメリット別に解説
「建物構造」とは、建築物の骨組みに使用されている建築材料を指します。
代表的な建物構造としては、以下の8つが挙げられます。
・木造(W造:Wood)
・アルミ造(AL造:Aluminium)
・軽量鉄骨造(S造:Steel)
・重量鉄骨造(S造:Steel)
・鉄筋コンクリート造(RC造:Reinforced Concrete)
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造:Steel Reinforced Concrete)
・コンクリート充填鋼管構造(CFT造:Concrete Filled Steel Tube)
・コンクリートブロック造(CB造:Concrete Block)
この8種類の建物構造をメリット・デメリット別に見ていきましょう。
木造(W造)
木造は建物の柱や梁などの主要な部分を木材で作った構造のことです。戸建て住宅やアパートに用いられており、特に戸建て住宅の92.5%は木造が占めています。 [注1]
[注1]総務省統計局:平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要[PDF]
木造のメリット
木造は他の建物構造に比べて材料費が安価です。また、木材は軽いため基礎工事にもかかる手間も軽減できます。その結果、建築に必要なコストを抑えられます。
また、木材には水分を吸収・発散して一定の湿度を保つ「調湿効果」があることに加え、木造は通気性も高いため、カビや結露の発生を防ぐことができます。湿度の高い日本の住宅に適した建物構造となっているのです。
木造のデメリット
国税庁によれば木造の住宅や店舗の耐用年数は22年となっています。他の建物構造の耐用年数が30~50年弱程度であるのに比べると、強度や耐久性が劣る点はデメリットです。[注2] とは言え、最近では建物の躯体構造部分が長持ちするよう対策を施した、劣化対策等級を取得した物件も登場しています。
また、木材はシロアリなどの害虫被害を受ける可能性もあるため、定期的に点検するとともに、薬剤散布などの害虫対策を行う必要があります。
[注2]国税庁:耐用年数(建物/建物附属設備)
アルミ造(AL造)
アルミ造はアルミニウム製の建材で作った構造を指します。
アルミ造のメリット
アルミ造のメリットは加工のしやすさです。アルミニウムは軽量で扱いやすく、高い精度で加工できます。現場では工場で加工した材料を組み立てれば良いため、工期を短縮することも可能です。
また、アルミニウムはサビや腐食に強い材料なのも魅力です。塩害を受けやすい海沿いの住宅に用いられています。
アルミ造のデメリット
アルミニウムは軽量であるため、鉄やコンクリートに比べると強度は低くなっており、大型の建物に使うことは困難です。
また、熱を伝えやすい材料であるため、断熱性は良くありません。そのため、断熱材を取り付ける、二重構造にするといった対策を行う必要があります。
軽量鉄骨造(S造)
軽量鉄骨造は厚さ6mm未満の鋼材を使った構造です。2階建てまでの戸建てやアパート、小型店舗に用いられる傾向があります。
軽量鉄骨造のメリット
軽量鉄骨造は材料を工場で大量に生産できます。そのため、安定した品質を保てるほか、材料費を抑えることが可能です。また、現場で材料を加工する手間がない分、短い工期で施工を終えられるため、人件費も削減できます。
軽量鉄骨造のデメリット
軽量鉄骨造に使われている材料は、高温になると強度が落ちて変形していまいます。そのため、火災時に建物が倒壊する恐れがあり、耐火被膜工事などを行い、強度を高めておくことが必要です。
また、通気性や断熱性が悪く、カビや結露が発生しやすいというデメリットもあります。
重量鉄骨造(S造)
重量鉄骨造は厚さ6mm以上の鋼材を使った構造です。軽量鉄骨よりも強度があるため、3階建て以上のマンションやビル、大型店舗などの多くに用いられています。
重量鉄骨造のメリット
重量鉄骨造では、柱と梁を一体化した「ラーメン構造」と呼ばれる構造が採用されています。そのため、広い空間を確保できるとともに、吹き抜けやビルドガレージといった間取りにも柔軟に対応できます。
また、軽量鉄骨造よりも厚みがある材料を使用するため、より耐久性や耐震性が高いのもメリットです。
重量鉄骨造のデメリット
鉄骨は厚みが増すほど材料費が高くなります。また、重量鉄骨造の建物は重いため、地盤補強工事にかかる費用も増えます。
その結果、建築コストが増え、不動産の購入費用などに反映されることになります。
鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリート造は、鉄筋とコンクリートを組み合わせて固めた素材による構造です。熱に弱く錆びやすい一方で、引張力の強い鉄筋と、熱に強いものの引張力の弱いコンクリートを一緒に使うことで、それぞれの弱点を補った強固な材料となっています。
鉄筋コンクリート造のメリット
鉄筋コンクリート造は耐久性や耐震性に優れており、国税庁によれば鉄筋コンクリート造の住宅における耐用年数は47年となっています。[注2]
また、建物全体が耐火性に優れたコンクリートで覆われていることに加え、気密性の高さによって延焼の危険性も軽減するなど、火災に強い構造となっています。
鉄筋コンクリート造のデメリット
鉄筋コンクリート造は、建築コストが高くなるのがデメリットです。材料費がかさむほか、コンクリートと鉄筋で出来た重い建物を支えるため、地盤を強化する工事も必要になります。
また、丈夫さは壊しにくさにつながります。そのため、増改築や取り壊しにかかる費用も高くなります。
さらに延焼の危険性軽減に役立つ気密性の高さは、カビや結露を引き起こす原因にもなります。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄筋コンクリート造に用いられる素材に鉄骨を埋め込んだ構造です。鉄骨造と鉄筋コンクリート造の弱点を補った高性能の構造となっています。
鉄骨鉄筋コンクリート造のメリット
鉄骨鉄筋コンクリート造の魅力は耐久性の高さです。非常に丈夫であるため、高層階のタワーマンションやオフィスビルを建築できます。また、柱や梁を小さくして、居住面積を広げることも可能です。
鉄骨鉄筋コンクリート造のデメリット
鉄骨鉄筋コンクリート造のデメリットは建築コストの高さです。
材料費が高いほか、建築の工程が鉄筋コンクリート造よりも複雑なため、工事が長期化し、人件費等がかかります。
また、鉄筋コンクリート造と同じく気密性の高さでカビ・結露が発生しやすくなっています。
コンクリート充填鋼管構造(CFT造)
コンクリート充填鋼管構造は、鋼管の内側にコンクリートを充填した構造のことです。主に商業施設に用いられています。
コンクリート充填鋼管構造のメリット
コンクリート充填鋼管構造は耐久性や耐震性に優れているため、鉄骨以上に柱や梁を細くしても大丈夫。自由度の高い設計が可能となっています。
また、鉄筋工事や型枠工事が不要であるほか、階ごとにコンクリートを打設するよりも効率的で工期を短く終えられることで、人件費を抑えることができます。
コンクリート充填鋼管構造のデメリット
コンクリート充填鋼管構造の建築には、コンクリートの品質管理や鋼管へのコンクリート充填に高い技術が必要となります。その結果、施工技術に優れた業者をしっかり見極める必要があります。
コンクリートブロック造(CB造)
コンクリートブロック造は、その名のとおりコンクリートブロックを積み上げて作った構造のことです。コンクリートブロックの内部には鉄筋が通され、コンクリートやモルタルなどを使って補強することで、プレハブなどの小規模な建物を建築できます。
コンクリートブロック造のメリット
コンクリートブロック造は耐震性や耐火性に優れているほか、鉄筋を使わないか、使うとしても少ない量であるため、鉄筋コンクリート造よりもコストを安く抑えられます。
また、独特の風合いを生かしたデザインによる設計も可能です。
コンクリートブロック造のデメリット
コンクリートブロック造は防湿性に劣ることに加え、増改築が困難な点がデメリットです。そのため、住宅やアパートではなく、外塀や倉庫などに使われることが多いです。
8種類の建物構造まとめ
ここまでご紹介してきた8種類の建物構造のメリット・デメリットを表にまとめました。
メリット | デメリット | |
木造
(W造) |
・材料費が安い。
・材料が軽いため基礎工事の手間が抑えられる。 ・調湿効果と通気性でカビや結露の発生を防ぐ。 |
・強度や耐久性が劣る。
・害虫被害の可能性がある。 |
アルミ造
(AL造) |
・加工しやすい。
・錆びや腐食に強い。 |
・強度が低い。
・断熱性が低い。 |
軽量鉄骨造
(S造) |
・工場生産で材料の生産と加工を行うため品質が安定する。
・短い工期で施工を終え、人件費も抑えられる。 ・大量生産で材料費を抑えられる。 |
・高温下で変形する。
・通気性や断熱性が悪く、カビや結露が発生しやすい。 |
重量鉄骨造
(S造) |
・広い空間を確保できる。
・柔軟な間取りに対応できる。 ・耐久性や耐震性に優れている。 |
・材料費が高い。
・地盤補強工事にかかる費用が高い。 |
鉄筋コンクリート造
(RC造) |
・耐久性や耐震性に優れている。
・耐火性や気密性が高く、火災に強い。 |
・材料費が高い。
・地盤補強工事にかかる費用が高い。 ・増改築や取り壊しの際に高額の費用がかかる。 ・気密性が高いためカビや結露が発生しやすい。 |
鉄骨鉄筋コンクリート造
(SRC造) |
・耐久性が高く、高層階の建築も可能。
・柱や梁を細くして居住面積を広くできる。 |
・材料費が高い。
・作業が複雑で、工期が長くなり、人件費も増える。 ・カビや結露が発生しやすい。 |
コンクリート充填鋼管構造(CFT造) | ・耐久性や耐震性に優れており、自由な設計が可能。
・鉄筋工事や型枠工事が不要なため短い工期で終えられる。 |
・コンクリートの品質管理や充填に高い技術が必要となる。 |
コンクリートブロック造
(CB造) |
・耐震性や耐火性に優れている。
・鉄筋コンクリートよりもコストが低い。 ・独特の風合いを生かしたデザインが可能。 |
・防湿性に劣る。
・増改築が難しい。 |
建物構造それぞれのメリット・デメリットを不動産選びに活用しよう
建物構造によって、メリット・デメリットは異なります。とくに耐久性や耐震性、耐火性、コストなどは入居者や購入者を探す際にも大きく関わってくるポイントです。
建物構造のメリット・デメリットを知り、自分にぴったりの不動産選びにぜひ活用してください。