株式会社 愛和

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土地ありのアパート経営は有利?メリット・デメリットを分かりやすく解説!

アパート経営

せっかく自分の土地があるなら、遊ばせたままで無駄に固定資産税を払い続けるよりも、アパート経営で収益を得るなどして有効活用する方が得策です。アパート経営を検討する時点で土地があるのとないのとでは、資金調達などの面で雲泥の差があります。

とはいえアパート経営に着手する以上、何らかのリスクやデメリットがあるのではないかと不安に思う方もいるでしょう。すでにある土地を活用してアパート経営を始める場合のメリットとデメリットを、ポイント別にわかりやすく解説します。

土地ありのアパート経営は有利

土地ありのアパート経営は有利?メリット・デメリットを分かりやすく解説!

アパート経営のスタート地点で土地を所有している人の場合、土地を用意しなければならない人よりも有利な点がいくつかあります。具体的な内容をポイント別に解説します。

土地購入費がかからない

1つ目のメリットは土地の購入費用がかからない点です。建物の購入資金を得るためローンを組むにしても、返済には家賃収入を充てられます。

土地と建物の両方の購入資金をローンで賄う場合、家賃収入のみで返済し続けるのはオーナーにとって負担です。土地持ちの人なら建物の購入費用のみでトータルの借入額が抑えられるため、金融機関からの融資も受けやすい点で有利に働きます。

建物にお金をかけられる

すでにアパート用に活用できる土地を持っていれば、新たに土地を購入する必要はありません。その分、建物により多くの資金を投資できます。例えば、木造よりも防音性も強度も高い鉄筋コンクリート造りにしたり、広めの間取りにしたりするなど、より付加価値の高い物件を建てることも可能です。

導入する設備機器もワンランクアップして、近隣の物件よりもグレードの高い物件に仕上げれば、入居率も収益性も高いアパート経営が期待できます。

アパートプランをゆっくり決められる

3つめのメリットはアパート用の土地があれば、十分な時間をかけてアパートプランを練れることです。まだ何の費用も発生していない段階なので、自分のペースでアパートの経営プランを立案できます。

アパート経営を見据えて土地を購入した人は、投資した分を一刻も早く回収する必要があるため、建物を完成させようと急いで計画を進めがちです。十分にプランを練らずに経営に着手した結果、アパートの建設後に何らかの不備や欠陥が見つかるリスクがあります。

土地ありでアパート経営をするメリット

土地ありのアパート経営は有利?メリット・デメリットを分かりやすく解説!

土地がある状態でアパートを経営する場合、資金繰りや節税対策の面で得られるメリットが複数あります。具体的にどのような内容か、ポイント別に解説します。

土地の一部を売却して資金が捻出できる

1つ目のメリットは、土地の一部を売却して自己資金に充てられる点です。

土地があってもアパートの建設自体にはお金がかかります。ローンを利用して資金調達するとしても、頭金や諸経費を支払うのにある程度の自己資金が必要です。どの程度の初期費用が必要かは融資を受ける銀行にもよりますが、資金総額の1~3割程度が想定されます。

必要な初期費用を貯めてからアパート経営に着手するのも可能ですが、土地の面積が広い場合、一部を売却して資金を工面するのも一つの選択肢です。

ただし土地の一部を売却する場合は、アパートの敷地として十分な広さの土地を残しておく必要があります。例えば、建物のみの場合は最低でも60坪程度、駐車場付きの場合は100坪程度といった具合です。また、売却を進めるにも境界確定のための測量、税金、測量費用、仲介手数料などさまざまなコストが発生します。

しばらく駐車場にして資金を貯められる

土地を活用したアパート経営の構想はあるものの、まだ投資をしていない場合は、特に回収を急ぐ必要もありません。しばらくは土地を駐車場にして収益を得て、必要な頭金をじっくり貯めるという方法もあります。あまり広い土地ではなく分筆できない場合にも、駐車場経営は賢い選択です。

駐車場経営に着手する際に有利なのが、駐車場運営会社への土地貸しです。運営は運営会社が代行してくれる上に舗装や整備も不要で、ノウハウがなくても頭金0円でスタートできます。

相続税対策になる

自分が所有している土地は、売却しないかぎり将来的に子どもや親戚などに相続されますが、相続税が課せられます。その場合、更地のままで渡すのではなく、アパート経営をしている土地として相続させると「小規模宅地等の特例」が適用され、相続税減額の対象となります。

アパート用地は「貸付事業用宅地等」に該当するため、200㎡までの土地なら、相続税の50%が減額されます。更地、あるいは駐車場経営用地はこの特例の適用外のため、アパート用地の方が相続税対策として優秀です。

※出典:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

固定資産税が節税できる

不動産を所有している人は、固定資産税を払わなければなりません。アパート経営に活用している宅地用地の場合、固定資産税および都市計画税の「住宅用地の課税標準の特例」措置が受けられるメリットがあります。ただし、更地や駐車場用地はこの特例措置の対象外なので、注意が必要です。

具体的な節税額に関しては、以下の表をご参照ください。

 

区分 土地利用状況と面積区分 本則課税標準額
固定資産税
本則課税標準額
都市計画税
住宅用地

小規模住宅用地

住宅やアパート等の敷地

200平方メートル以下の部分

(特例率)価格×6分の1 (特例率)価格×3分の1
住宅用地

一般住宅用地

住宅やアパート等の敷地

200平方メートルを超える部分

(特例率)価格×3分の1 (特例率)価格×3分の2

※出典:さいたま市/住宅用地の課税標準の特例について

 

土地ありでアパート経営をするデメリット

土地ありのアパート経営は有利?メリット・デメリットを分かりやすく解説!

土地を所有している状態でのアパート経営は多くの点で有利な一方、一概にそうとはいえないケースも残念ながら存在します。具体的にどのようなデメリットが想定されるのか、ポイント別に解説します。

アパート経営に向いている土地とは限らない

所有している土地がアパート経営に向いているかどうかは大きな問題です。アパート経営向きの土地でなければ十分な人数の入居者が集まらず、当初の想定よりも家賃収入が減少する可能性があります。十分な収益が得られなければ、ローンの返済や物件の維持管理に支障をきたすかもしれません。

では、どのような土地ならアパート経営に適しているのか、具体的な特徴を以下でご紹介します。

駅から徒歩10分圏内

駅周辺、特に駅から徒歩10分圏内は通勤や通学に便利なため、ファミリーやシングルを問わず電車を利用する層に人気が高いエリアです。駅近の賃貸物件は常にニーズがあるため、空室率も低く安定した収益が期待できます。

では、徒歩10分以上かかる距離の場合は不利なのかといえば、必ずしもそうではありません。例えば、複数路線が乗り入れるターミナル駅周辺なら、多少遠くても賃貸物件としての需要は十分にあります。

そもそも電車を利用せず車で通勤する層は、駅まで近いかどうかはさほど重要と捉えてはいない可能性もあります。

住宅街

閑静な住宅街は街全体が整備されていて住みやすく、人気が高いエリアです。商店や飲食店などが集中するエリアとは異なり車通りも少なく治安も良いため、より安全な住環境が整っています。

緑の多い公園や幼稚園、小中学校などに近ければ子育て中のファミリー層の利用ニーズも見込めるため、より安定した収益が期待できます。

地価が上がりそうな場所

地域としての将来性も、アパート経営で検討すべきポイントです。現在は立地条件がさほど良くない場所でも、今後地価の上昇が見込めるなら、居住エリアとして人気が出ることがあります。

例えば、付近に大規模商業施設が建設予定、あるいは主要路線が乗り入れる駅が設置予定のエリアなら、将来的に発展して地価が上昇する可能性があります。アパート経営を計画する際は、周辺エリアで再開発等の予定があるかどうかをリサーチしましょう。

東西に間口が長い土地

南向きにバルコニーがある賃貸物件は、日中を通して日当たりが良い点で人気があるため、高い需要が見込めます。所有している土地が東西に長い場合、南側にバルコニーが付いたアパートを建設できます。

南向きのバルコニー設置が難しい場合は、朝日が差し込む東向きバルコニーが付いたアパートの建設がおすすめです。

転用性が低い

アパート経営では多額の投資に見合った収益を回収する必要がある以上、長期間にわたり継続するのが前提条件です。ただし、何らかの事情でアパート経営をやめることも想定されます。例えば、アパートを取り壊して自分の家族と両親用の家を建てる、息子夫婦の家を建てるなどの理由です。

入居者の利益と権利は借地権によって法的に保護されているため、ただ「取り壊すから」というだけでは、立ち退きを求める上で十分に正当な理由とはいえません。正式に立退料を支払う旨をオーナーから提示して初めて、正当な理由として立退の打診が可能になります。

立ち退きの打診は、立ち退き予定日の1年前から6カ月前までに入居者に知らせる必要があります。また、すべての入居者が他所へ引越した時点で取り壊しとなるため、すぐに更地にできるわけではありません。

家賃下落・空室リスクがある

アパート経営には家賃の下落や空室のリスクが伴います。そのため、経営を始めた時点で想定した家賃収入が継続して得られるとは限らないのが現実です。

空室はアパート経営者が特に懸念すべきリスクで、家賃収入の減少はローンの返済能力や維持管理に影響を及ぼします。築年数が経過して外観や設備が古くなると賃貸物件としての魅力が下がり、家賃を下げないかぎり入居者が入りにくい可能性もあります。

こうしたリスクを少しでも軽減するには、プランニングの段階で十分に立地を検討する、入居者のニーズに合った設備を導入して維持するなどの努力が求められます。

定期的に修繕費用がかかる

アパートは年月の経過とともに老朽化が進み、不具合も生じやすくなるため、10~15年周期で大規模修繕を行う必要があります。多額の出費に備えて普段から修繕費用を積み立てておくのは、オーナーとしての責務です。

大規模修繕ではなくても、日々不具合があれば修繕し、大きな不具合に至らないようにメンテナンスを行う努力も求められます。定期的なチェックやメンテナンスは、入居者の快適で安全な暮らしを守るとともに、将来的な家賃下落や退去のリスク防止の面でも必要な取り組みです。

まとめ

アパート経営での土地活用には、購入費用をより安く抑えられる上にローンが借りやすい、節税対策になるなどのメリットがあります。土地があれば一部を売却して頭金にする、一時的に駐車場に転用して資金を貯めるなどの対応も可能です。

ただし、「駅近」「南向き」などの立地条件に恵まれない土地の場合、アパートを経営してもさほど収益に結びつかない恐れもあります。経年劣化が招く空室や家賃下落を抑えるには修繕費用もかかります。以上の理由から、アパート経営には念入りなプランニングがおすすめです。

この記事を書いた人:吉田ゆかり
吉田ゆかり

【資格】宅地建物取引士・終活ガイド検定2級を保持

【実績】投資専門の不動産会社でお客さまサポートを4年、これまで100名以上を担当してきました。

間近で成功していく人・失敗していく人を見るうちに、不動産投資では「知識」こそが、勝敗を左右すると実感。知識がないために失敗する人を減らし、さらには『不動産業者=怪しい・怖い・ウソつき』という方程式をぶっ壊すべく、業界に身を置くからこそ知れる不動産投資のリスクやノウハウを発信しています。

また、私自身も物件取得に向けて、情報収集と貯金に励むプレオーナー。ゆくゆくは、実際に物件を購入するまでの流れや、赤裸々な収支なんかも公開していきます!

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